「棚卸しをしましょう」と言われても、手が止まりませんか

転職について調べると、必ず出てくる言葉があります。

「まずはキャリアの棚卸しをしましょう」。

で、ノートを開いて、5分後に閉じる。

これ、意外とよくあるパターンです。

棚卸しが進まないのは、やる気の問題ではありません。

「何を・どの順番で・どこまで書けばいいか」が示されていないからです。

この記事では、30代40代の会社員が1時間でできる棚卸しの手順を、5つのステップに分けて紹介します。

先に、自己流でつまずく落とし穴を3つ

手順の前に、多くの人が同じ場所でつまずくポイントを押さえておきます。

1つ目は、いきなり「強み」を探そうとすること。強みは探して見つかるものではなく、事実を並べた後に「結果として見えてくる」ものです。

2つ目は、役職や担当名で書いてしまうこと。「営業を12年」は事実ですが、中身が見えません。

3つ目は、謙遜が混ざること。「大したことはしていない」というフィルターがかかると、棚卸しの材料自体が消えていきます。

ステップ1:仕事を「動詞」で書き出す(15分)

最初にやるのは、強み探しではなく、ただの洗い出しです。

直近1〜3年でやってきた仕事を、「動詞」で書き出してください。

「提案した」「調整した」「作成した」「教えた」「引き継いだ」「謝った」。

かっこいい必要はまったくありません。クレーム対応も、送迎も、雑用に見える仕事も全部書きます。

目安は20個。ここで出た「動詞」が、後のすべての材料になります。

ステップ2:数字を付けられるものに数字を付ける(15分)

次に、書き出した項目に数字を添えます。

件数、年数、人数、金額、頻度。正確でなくて大丈夫です。「月におよそ20件」「約3年間」で十分です。

ここで大事なのは、数字が付かない項目を消さないこと。数字が付かない仕事は「変化」で書けるので、次のステップで拾います。

ステップ3:「前後の変化」を探す(10分)

数字が付かなかった項目は、「自分が関わる前と後で、何が変わったか」を書きます。

「引き継ぎ資料を作った」なら、「後任が1人で対応できるようになった」。

「クレーム対応をした」なら、「解約せずに継続してもらえた」。

成果という言葉が重たければ、変化で考える。これだけで書ける項目が一気に増えます。

ここまでの3ステップを、7分で自動化する方法もあります

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ステップ4:転職市場の言葉に「翻訳」する(10分)

ここからが、棚卸しを転職で使える形にする工程です。

社内の言葉を、市場の言葉に置き換えます。

「上司と顧客の板挟み」は、市場では「利害調整」と呼ばれます。

「後輩の面倒を見ていた」は、「育成・オンボーディング」です。

「クレーム後のフォロー」は、業界によっては「カスタマーサクセス」という専門職の仕事そのものです。

自分にとっての「当たり前」ほど、翻訳したときの価値が大きい。ここが棚卸しのいちばん面白いところだと思っています。

ステップ5:応募先の求人から「逆算して」並べ替える(10分)

最後は並べ替えです。

棚卸しした材料を全部使う必要はありません。むしろ全部使うと薄まります。

気になる求人を1つ開いて、「求める人物像」に近い材料から順に並べる。

求人が変われば、先頭に置く材料も変わります。棚卸しを一度やっておくと、この入れ替えが数分でできるようになります。

書き上がったら、機械チェックにかけてみてください

棚卸しの材料を自己PRの文章にしたら、最後にひとつ。

「コミュニケーション能力」「寄り添う」「コツコツ」のような、採用側に読み飛ばされやすい"ぼんやりワード"が混ざっていないかの確認です。

ここは自分では気づきにくいので、機械に見てもらうのが早いです。

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